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拠点形成の目的

本グローバルCOEプログラムでは,21世紀COEプログラムをはじめとする横浜国立大学の多くの実績を踏まえ,国立環境研究所と連携し,人口増加や経済発展に伴って生態系の破壊と生態系サービスの劣化が著しいアジア発展途上国等の生態リスクの適切な管理に貢献するため、以下のことなどに取り組む。

  1. 国連ミレニアム生態系評価(MA)にアジア視点を加えた国際的なリスク管理の理念・基本手法・制度を解析して提示する
  2. アジア等の森林植生・土壌・沿岸域等の生態系機能を調査・解析して外来生物管理を含めた具体的な順応的リスク管理手法を提示する
  3. 農薬・肥料・有害物質管理,バイオマス高度利用,遺伝子操作作物利用,廃棄物循環利用等,具体的実践的なアジア途上国の生態系サービスのリスク管理手法を開発・応用する
  4. これらの「基礎研究」と具体的な「事例応用研究」,新たな政策アイデアに基づく「社会制度提案」の3者を繋げる研究者・行政・企業・市民のネットワークを国際的に構築する
  5. これらをもとに、自ら新しい領域を開拓する創造性の醸成,広い視野に立った客観的分析と総合に基づくシナリオ構築能力の養成、さらに内外のネットワーク形成能力ならびに社会活動における交渉能力の向上を重視した国際的に活躍する若手研究者等の国際的な人材育成拠点を形成する.


研究計画

  1. 順応的リスク管理手法の提示と具体的適用
  2. 次元の異なるリスクを比較衡量するためのリスクトレードオフ解析手法
  3. 多元的で多様な主体が協働して環境管理を行う環境ガバナンスや自然公園管理制度の国際比較
  4. 生態リスクの評価・予測・管理のためのシナリオの構築・提案と応用
  5. アジア等の森林植生,土壌,沿岸域などにおける生態系機能の調査・解析
  6. それらを踏まえた生物多様性と外来生物等の評価・管理手法の提案
  7. 有害物質・肥料等の生態系や水産物・水利用への影響評価技術と新しい順応的リスク管理方法の提案
  8. 生物資源・廃棄物の循環利用・高度利用のための技術・社会システムの開発と応用など,生態系サービスの持続可能な技術・手法の開発・応用
  9. 世界中のデータ提供者との信頼関係を構築した生態リスク管理に関する環境科学・行政のための知的情報基盤の構築・整備を図る。

拠点形成実績報告書

平成19年度研究拠点形成費等補助金 拠点形成実績報告書 開始年度H19年度(環境学)